カウンセラーいーちんのブログ

恋愛体験談、家族、コミュニケーション、毒親、アダルトチルドレン、うつ…etc.

就労移行支援事業所の危機!潰れる会社が今後増える!?

こんにちは、いーちんです。

 

 

就労移行支援事業所が飽和状態、特に東京ではその状況は顕著です。

ようやく行政も動き始めて、これからの数年で業界が大きく動きそうな予感。

 

 

 

なぜ飽和状態になったのか?

東京では、既に就労移行支援の事業所数は、

飽和状態にあって、新規開所のハードルも上がっています。

申請書類の量が、他県に比べると倍くらいの量ですからね。

 

なぜ飽和状態になったのかといえば、

それは「開所のハードルが低い」からです。

 

準備が簡単

準備するものは、ざっくり言えば、

物件、人員、資金、申請書類、くらいでしょうか。

 

物件は、訓練室に相談室があれば、それだけOKです。

つまり、100平米ほどの部屋に、間仕切りをして相談室を作れば、

とりあえず箱は完成します。

 

もちろん、備品は必要です。

例えばPCは利用者さんと支援員分、合わせて26台は必要ですし、

支援員の事務作業場所は、プライバシーが守られていないといけません。

ただ、また新たに部屋を作る必要はありませんから、大げさな改修工事は不要です。

 

人員は、

管理者、サービス管理責任者、その他4名の支援員がいれば、それでOKです。

そのため、国家資格が必要なのは、サービス管理責任者のみで、

他の支援員はそこまでのハードルはないため、

人さえ集まれば十分、と言っても過言ではないんですね。

 

資金は、先ほど申し上げた備品や物件のレンタル料が必要ですが、

数百万円で事足りるでしょう。

 

そして、何より、

この10年間の間は、行政への申請が簡単に通っていたと思われます。

条件さえ満たしていれば、そりゃ行政窓口も審査を通過させざるを得ませんから。

 

 

助成金は必ず支払われる

事業を起こすときに、経営者が心配することの1つに、

売上の回収があります。

案件を取ってきて売上が立ったとしても、

ちゃんと回収できなければ、1円にもなりません。

 

ただ、就労移行支援事業は行政の事業ですから、

売上金の回収ができない、ということはありません。

 

もちろん、必要な書類はたくさんありますが、

まぁ、それはちゃんとやっていれば大丈夫というか。

監査が入るまでにちゃんと揃えておけばいいだけのことですからね。

 

 

市場にニーズがある

また、事業所を開所する際に、

立地を考えることも、開所には必要不可欠なわけですが。

 

それも、都内であれば、

北側の比較的所得が低い層が住む下町・住宅街エリアで開所すれば、

十分なニーズがあります。

 

障害者を対象にした事業ではありますが、

蓋を開けてみると、一番多いのは精神障害の方たち。

躁うつ病パニック障害、対人恐怖症などの方々ですね。

こういった状況で仕事に就くことができない人たちは、

本当に今多いのでしょうね。

発達障害や身体障害、知的障害の方々も利用の対象ではありますが、

精神障害の方々が8割なんていう事業所がざらにあります。

まだまだ日本社会はブラック企業が多い、

ということの裏付けにもなる事実ですよね。

 

というわけで、

開所は他の新規事業をする以上にハードルの低いものだったわけです。

 

 

行政が打った政策の変更とは?

しかーし!!

それで都内の就労移行支援事業所の数は飽和状態になって、もうパンパン。

 

というわけで、ようやく行政は法律を変更しました。

 

その内容とは、

就労移行支援、基本報酬改定

厚生労働省 平成 30 年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)より

つまり、どういうことかと言うと。

新規開所の事業所の単位数は、807単位。

ですが、開所2年以内に「就職後6月以上定着率が0」だと、

500単位まで下げられてしまう、ということなんです。

 

つまりつまり、20人定員の事業所の場合、

2年以内に就職者を最低6人は輩出し、

さらにその人たちが半年間は働いてくれないと、

事業所に払われる給付金を最低でも約16%減らしちゃうよ!

就労定着者が0の場合は、38%減らしちゃうよ!

ということなんです。

 

つまりつまりつまり、その条件を満たすことができなければ、

その事業所は潰れちゃうよ!ということなんですね。

※就労移行支援事業の売上の計算方法については、以下の過去記事をご参照ください。

就労移行支援 支援員の給与はなぜ低い!? - メールカウンセラーいーちん「恋愛と仕事と家族と、ときどき心理」

 

これで、サービスが悪い、

ただ利用者を入れて卒業させているだけの事業所は、

おさらばしていくことでしょう。

ほんとにヒドイ事業所はヒドイらしいので。。。汗

 

参考に以下の記事をリンクします。

www.sbbit.jp

 

 

 今後残る事業所は?

ということで、今後どういう事業所が残っていくのか、

どうしていかなければならないのか、検討してみることにしました。

 

サービスに力を入れている

まずは訓練期間中ですが、

利用者さんが自身に適した職場に就労できるような支援をしないといけません。

とにかく入所・契約させて、国からお金もらおうとしてるだけではダメです。

 

そのためには、

利用者さんが自己理解を進めて、自己発信できるようなサポートが必要です。

つまり、利用者さんが自分は何がしたいのかわかるようにして、

それを面接の場でしっかり伝えられるような訓練を受けられるようにする、

ということです。

 

もちろん、実際に就職活動を始めたときには、

支援員がハローワークに同行したり、

面接に同行したり、といった具体的な活動も必要です。

 

・・・これは当たり前といえば当たり前ですが。

これをしてない事業所があるってことなんでしょうね。。

 

定着支援をしている

2018年4月に定着支援事業というものができましたが、

就職者の定着率がよくない、という事実にも、

行政が危機感を感じているということなのでしょう。

 

就労後3年間はこの定着支援事業の対象になります。

事業所としてできるのは、このサービスや制度があることを、

利用者さんにしっかりと伝えて、

利用者さんをのサポートを連鎖させていくことですね。

 

ちなみに、3年が経過した後も、

障害者就業・生活支援センターを活用すれば、

定着支援は受けることができます。

 

せっかく利用者さんの生活・就労をサポートする仕組みを、

国は作ったわけですから、使わないのはもったいないですね。

就労支援業界で転職活動をして気づいたこと4つ

こんにちは、いーちんです。

 

最近就労支援業界に転職しましたが、

転職活動を通して、10社近い就労支援の企業に面接に行きました。

 

それだけ受けると、まだ10年程度のこの業界の全体像が見えてきたので、

それをまとめようと思います。

 

 

 

 

 

上場している企業はわずか2社 まだまだ伸び盛りの業界

就労移行支援事業の企業第一号は、株式会社LITALICOです。

設立は2005年ですから、14年前ですね。

 

そして、その次が業界2番手の株式会社Welby(ウェルビー)。

2011年設立なので、LITALICO設立から6年も先のこと。

この時期には、他にも企業が立ち上げられてきました。

ちなみに、業界3番手の株式会社Melkは、2012年設立。

 

まだ始まって14年しか経っていないこの業界。

実際株式上場した企業は、LITALICOとウェルビーの2社のみです。

LITALICOの上場が2016年、ウェルビーは2017年。ほんと最近ですね。

 

そして、最近他社も少しずつ上場を目指すようになってきたようです。

例えば、3番手のMelkなどですね。

 

各社とも、今後事業を拡大していきそうな雰囲気を醸し出していますが、

つまり、それはまだまだ伸び盛りの業界だということが言えるでしょう。

 

 

就労移行支援だけをやっている企業は給与水準が低い

こちらのテーマに関しては、前回のブログでも書いています。

www.yiqing.site

 

LITALICOは、就労移行支援事業以外にも、

 以下の事業を展開しています。多いですよね。

 

・LITALICOジュニア(学習支援事業)

・LITALICOワンダー(IT教育事業)

・LITALICO発達ナビ(情報発信事業)

・LITALICO仕事ナビ(障害者向け就職サイト事業)

・LITALICOキャリア(人材紹介事業)

・LITALICOライフプランニング(ライフプランニング事業)

・LITALICO研究所(研究所機関)

 

多いと言ったのは、他の企業はここまで事業展開していないんです。

ウェルビーでも、学習支援事業と定着支援事業くらいでしょうか。

3番手のMelkは、IPOの準備をしていますが、

まだ就労移行支援事業一本でやっているようです。

 

そして、LITALICOは、利益率が決して高くない就労移行支援事業のそれを

補うように、他の事業を展開しており、

実際従業員の給与待遇も高めなんですね。

 

それ以外の企業は、だいたい同じくらいの給与水準です。

ウェルビーが若干いいかな、という感じ。

 

これから各社が事業拡大していって、

現場で働く支援員の方々の待遇がよくなるといいなぁ、と切に思います。

 

 

会社によって毛色が異なる

各社の面接を受けに行くと、

それぞれ個性がにじみ出ているのが感じられました。

 

LITALICOワークス

 

とりあえずオシャレ。オフィスも社員もオシャレ。

そして、自由な雰囲気ですね。

オフィスも、家具がどれもカラフルで賑やかだし、

コワーキングスペース的な感じで、

それぞれ好きな場所でパソコンに向かって仕事したりしてました。

社員はオフィスカジュアルのような私服のようなラフな格好。

会話をしていても、なんだか友だちと話してるような感覚さえしてきました。

 

ウェルビー

www.welbe.co.jp

 

こちらはカッチリビジネスな雰囲気。

もちろん福祉の会社ですから、それなりの柔らかさも感じましたが。

オフィスもとっても小綺麗ですし。

社員さんは、みんなスーツでしたね。

事業所ではオフィスカジュアルでお仕事しているとのこと。

人によっては、社員さんが冷たい、と感じる方もいるみたいです。

 

ちなみに、ウェルビーの採用担当の方曰く、

「LITALICOさんは『家』に近い印象で、

ウチは『オフィス』に近い感じでやってます」

とのことでした。その通りだなぁ。

 

Cocorport(旧社名:Melk)


一言で言うと、元気いっぱい!な印象でした。

オシャレを目指しているけれど、どこか隙があって、ちょっとダサい感じ。

社員さんはスーツだったり、オフィスカジュアルだったり、

私服に近い格好だったり、と色々でしたね。

みなさん、元気いっぱいで、印象はよかったです。

 

このブランドイメージの話だけでなく、

次に話す「ビジネスかサービスか」というテーマも、

企業による毛色が違う、というのにつながってきます。

 

 

ビジネス優先か、サービス優先か

これは、ざっくり言うと、

「売上が大事か、利用者さんへの細かなサービスが大事か」

という話です。

 

多くの就労支援事業所は、

現場の支援員が、利用者さんの対応と同時に、

関係機関への営業・広報活動も行っているようです。

 

売上を上げようとすると、

病院やクリニック、ハローワーク、役所の福祉関係課、

各種支援センターなどに、

利用者さんを紹介してもらう必要があります。

 

なので、いわゆる営業職の仕事とは違いますが、

関係機関への訪問と事業の紹介、の業務があります。

 

ですが、多くの支援員の方々は、

そもそもこれまで行政に守られた社会福祉法人のような職場にいた方々で、

ボランティア精神というか、ホスピタリティを持って仕事をしたい、

という情熱溢れる方々が多いのでしょう。

売上や利益を重視する一般企業とは違う畑にいた方々に、

営業活動をしてほしい、と言っても、

なかなかなじめない方もいるんでしょうね。

 

まぁ、それだけでなく、

単純に支援の時間を割いて営業活動をすると考えると、

支援に情熱を持っている支援員さんたちは、

営業活動になるべくリソースを割きたくないと思うのは自然なことです。

 

それで、各社の面接を受けてわかったのは、

上場している、もしくは上場しようとしている企業は、

営業活動、つまりビジネスに力を入れるようにしているということです。

そして、まだ小さい企業はサービスに重きを置こうとしている、

といったことでした。当たり前といえば当たり前ですね。

 

ただ、一方で、

営業活動に力を入れている大きな企業のサービスに不満を持って、

サービスに力を入れている小さな企業の事業所に移ってきた、

という利用者さんも、少なからずいます。

 

これから、ビジネス優先の企業か、サービス優先の企業か、

どちらがこの業界で勝ち残っていくのか、見ものですね。

 

ちなみに、個人的には、

サービス優先の企業に勝ち残っていってほしいです。

もしくは、営業優先の企業にはそのしくみを改善してほしいですね。

 

というのも、

例えば精神障害を持つ利用者さんへの対応がずさんになる、

というのは、その利用者さんの人生を狂わすことにもなりかねませんから。

それに、事業所内のしくみ、例えばプログラムの内容が適当で、

結局利用者さんが就職先の企業に定着できず、

半年以内にやめてしまうようでは、就労移行支援事業の存在意義は

とても小さいものになってしまいます。

企業側もクライアント側も、誰も幸せになれないんじゃないかなぁ。

 

 

他にも気づいたことがあったので、

今後追記していきます。

 

今回の記事の内容、

転職活動や、既にこの業界で働いている方に参考にしていただければと

思います。

 

 

就労移行支援 支援員の給与はなぜ低い!?

こんにちは、いーちんです。

 

2019年4月をもって、

福祉業界(就労支援)に転職しました。

念願の福祉業界!相談員の仕事!ヒャッホーイ!

 

と思いきや。

就労支援の仕事って給与が低いんです。

では、なぜこの業界は給与水準が低いのか。

調べて探ってみようと思います。

 

※今回は就労支援の中でも、就労継続支援A型・B型はのぞいて、

最も求人数の多い就労移行支援にスポットを当てます。

 

 

 

 

就労移行支援の給与水準は?

就労移行支援事業所での主な職種は以下の3つです。

 

・管理者

・サービス管理責任者

・支援員

 

そして、それぞれの給与水準をざっくり言うと、

 

・管理者       25万円/月(額面)

・サービス管理責任者 25万円/月(額面)

・支援員       20万円/月(額面)

 

ですから、概ね年収にすると、賞与があったとして、

 

・管理者       350万円/年(額面)

・サービス管理責任者 350万円/年(額面)

・支援員       280万円/年(額面)

 

実際はもう少し多いかもしれませんが、

管理者・サビ管で、年収400万円くらい。

支援員で、年収300万円くらいでしょうか。

 

 

給与を上げるためにはどうしたらいいのか?

 

ですから、個人的に給与を上げたい!と思ったときに

多くの人が考えるのは、昇進して役職に就くということなんですね。

 

ただ、管理者になるには、それ相応の経歴や業務経験が必要です。

サビ管に至っては、社会福祉士精神保健福祉士の資格を有した上で、

5年以上の福祉施設での実務経験が必要ですから、

少なくとも新卒入社した若者には、遠い先の話になるわけですね。トホホ

 

 

就労移行支援事業所の主な財源

 

では、なぜ就労移行支援事業は、

人件費にそれほどの費用を割けないのでしょうか?

 

1つ明らかに言えるのは、

売上の上限が決まっている、ということです。

 

事業所の売上は、

障害者総合支援法という法律に基づいて算定されて、

行政から支給されます。

 

算定方法は、

単位数 ×    10円 ×    事業所が所在する地域区分に応じた割合

となっています。

 

単位数とは、

福祉の各サービスに対して、

費用算定の元になる数字を国が出したものです。

 

ですから、例えば、

東京都新宿区にある事業所に1日に20名の利用者さんが来所した場合は、

807単位 ×    10円 ×    1.106    = 8925円/1日

なので、1ヶ月20日間開所して、毎日20人来所しているとすると、

8925円  ×    20人 ×    20日 = 357万円/1ヶ月

となります。

毎日定員20名来ないかもしれないんで、だいたい300万円くらいですね。

 

という具合に、売上の上限が決まっています。

そして、ここから経費が引かれるわけですから、

賃金も決まってきますし、

そうやすやすと昇給というわけにもいかないのでしょう。

  

 

財源を増やしていく手立てはあるのか!?

 

この業界で給与水準が高いのは、大手の企業です。

株式上場しているのが、LITALICO(リタリコ)とwelbe(ウェルビー)2社。

特に、LITALICOの給与水準は、他社に比べていい印象です。

 

そんなLITALICOはどんな経営をしているのかというと、

就労移行支援事業以外の福祉事業も展開しています。

以下が就労移行支援事業(LITALICOワークス)以外の事業です。

 

・LITALICOジュニア(学習支援事業)

・LITALICOワンダー(IT教育事業)

・LITALICO発達ナビ(情報発信事業)

・LITALICO仕事ナビ(障害者向け就職サイト事業)

・LITALICOキャリア(人材紹介事業)

・LITALICOライフプランニング(ライフプランニング事業)

・LITALICO研究所(研究所機関)

 

うわ、改めて並べてみるとむっちゃ多いな。汗

 

少なくとも、どれもが就労移行支援事業よりも収益率のいい事業ですから、

これらが就労移行支援事業の売上の少なさをカバーしている可能性は、

大いにありそうです。

 

ちなみに、業界二番手のwelbeは、学習支援事業をやっていますね。

 

2019年現在は、このような形で事業展開することで、

会社全体の給与待遇を引き上げているのが、この業界のやり方のようです。

 

  

諦めて転職するとしたら?

 

「もう給与安くて我慢できない!他の会社に就職する!」となったとき。

同業界で少しでも給与のいい会社を探そうと思ったときに役立つ、

転職紹介サイトをご紹介します。

 

マイナビ転職

tenshoku.mynavi.jp

転職はマイナビ転職-豊富な転職情報で支援する転職サイト

 

こちらは比較的就労移行支援企業が多い印象です。

 

 

LITALICOキャリア

litalico-c.jp

LITALICOキャリア

 

この就労支援業界にはまだこの1社しか

人材紹介サービスをしている企業はありません。

 

サイトに掲載されている求人情報は少ないですが、

直接問い合わせてキャリアカウンセリングを受けると、

ものすごくたくさんの企業の情報を提供してくれますよ。