「共依存」とは保険会社が作った言葉だった!?
こんにちは、いーちんです。
「共依存」や「アダルトチルドレン」という言葉は、元々アメリカ発祥の概念です。誕生の背景には、保険会社のビジネスが絡んでいたようなのですが、それについて今回は記事にまとめてみたいと思います。
発端はベトナム戦争
「共依存」という言葉が誕生した発端は、1970年代に勃発したベトナム戦争までさかのぼります。
ベトナム戦争にたくさんのお金を投入していたアメリカ政府は、お金のやりくりに苦労していました。そこで、支出を減らすために、医療保険を民間の会社に委託しはじめました。
すると、民間の保険会社は商品化できるものを探します。その中で、アルコール依存症の治療方法もたくさん出てくるようになったんです。
また、同時に、医師だけが保険対象になる診療ができていたのが、サイコロジストやケースワーカー、看護師までもが診断を下せるようになったんです。彼らは保険会社と契約することで、その権利を得ました。
つまり、医師以外の専門家が、アルコール依存症の診断を下せるようになったわけです。今の日本で言えば、臨床心理士や公認心理師も診断を下して薬まで処方できちゃう、みたいな状況ですね。
保険対象となった家族
この頃には、アルコール依存症の原因は、依存症当事者だけではなくなっていました。つまり、家族全体に原因がある、という説が広まっていたんですね。※これを「家族システム論」と言います。
これって、今でもそうですよね。例えば、子供が引きこもりになる原因は、その当事者だけにあるんじゃなくて家族全体にある、と考えますから。
話を元に戻しまして。
そのような背景の中で、保険医療の対象も、アルコール依存症の患者だけでなく、その妻(夫)や子どもにも及ぶようになりました。簡単に言えば、「家族全員医療の対象」ってことです。だって、そうしたほうが保険会社は儲かるじゃないですか。
じゃあ、アルコール依存症患者のパートナーや子どもをなんて診断したらいいの?ということになります。そこで出現したのが、「共依存」と「アダルトチルドレン」です。
アルコール依存症患者のパートナーを「共依存」と呼び、彼らの子どもを「アダルトチルドレン」と呼びました。そして、1980年代には、これらの言葉は一般的に使われるようになっていった、というわけです。
日本では、この2つの言葉は切り離されて説明されることが多いですが、こう考えると、関係がわかりやすくなりますね。
アルコール依存症から他の要因へ
アルコール依存症者を抱える家族は、その後「機能不全家族」と呼ばれるようになります。
そして、アルコール依存症だけでなく、ギャンブル依存症、薬物依存症、暴力などの問題を抱える家族も、「機能不全家族」と言われるようになっていきます。
というわけで、今の日本で紹介されているような「共依存」を取り巻く状況が完成(?)したわけです。
現代の日本に通ずるもの
これって、今の日本でも似たようなことが起きてると思いませんか?
健康志向ブーム
最近やたらとメディアで、フィットネスやスポーツの番組が放送されていますよね。
これは、日本の少子高齢化にともなって、政府が財源を確保するために、特に高齢層の医療保険の支出を少なくしようとしていることの表れです。
例えば、保険加入者は、「定期的に運動しています」っていうことを保険会社に証明すると、保険費用安くなるらしいですよ。さっきのアメリカの話とどこか似てません?
うつ病や発達障害
もう1つの捉え方は、「病名を充てがわれることで安心する人がいる」という点です。
アメリカの話で言えば、アルコール依存症患者のパートナーや子どもたちにも、診断名があったほうがいいですよね。だって、病院に来てるのに「病名はないですが・・・薬だけ出しときます」だと、患者は不安になりますよ。
一方、昨今の日本では、「うつ病」「発達障害」「ADHD」「HSP」などの診断名がわかるだけで、安心する人が多くなっています。
やっぱり当て所なく悩んでいる人たちは安堵感がほしくなるのでしょう。自分の病名がわかると、「あ、自分は病気だったんだ、なんだ、安心したわ」「悩んでるのは自分だけじゃないんだ、仲間がいるんだ」となります。
いつの時代でも、どの場所でも、病気によって救われる人がいるんですね。
共依存で悩みすぎるのをやめよう
そう、ぼくがこの記事で言いたいのは、「共依存」だからといって悩みすぎるのをやめましょう、ということです。
だって、保険会社がビジネスのためにつくったような病気ですよ!?※厳密には保険会社がつくったわけじゃないですが。発端になっただけです。
もちろん無意味だとは言いません。それによってたくさんの人が安心できるのも事実ですから。
けど、囚われすぎる必要はありません。あくまでそうなんだ、というだけです。逆に、「共依存」っていう病名や概念を利用してやろう、くらいでいいんだと思います。
そのためにも、まずは自分が「共依存」だということを受け入れること。それがスタートになります。
この先の話については、また別記事でご紹介させていただきますね。
共依存についてはこんな記事も書いてますので、ぜひご参考にされてください。