カウンセラーいーちんのブログ

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【障害者の方向け】就労移行支援事業とは?

こんにちは、いーちんです。

 

最近、就労移行支援事業について記事を書いているんですが、

そもそも「就労移行支援ってなに?」と思っている方がいると思いまして。

まだまだこの事業は新しい事業ですから。

 

なので、今回は就労移行支援というサービスについて、

事業所に問い合わせなくてもわかるくらいに詳しく説明しようと思います。

 

 

そもそもいったいなに?

 「就労移行支援事業」とは、

現在お仕事をされていない障害者の方々が、

就労(就職)できるようにサポートをするサービスです。

 

対象になるのはどんな人?

  • 精神障害発達障害、知的障害、身体障害、難病などがある方
  • 原則として18歳以上65歳未満の方
  • 企業などで就労することを希望している方 

障害者手帳はあってもなくても通所することができます。

医師や行政窓口が、「通所するのがいいと思います」と進言してくれれば、

手帳がなくてもOKです。その方が手続きもスムーズにいくケースが多いです。

 

年齢は、あくまで「原則として」で、

実際、18歳以下の方でも通所された前例があります。

 

どんなお仕事に就職できるの?

大きく分けると、

一般就労」と「障害者雇用枠での就労」があります。

 

一般就労というのは、

障害をお持ちでない方と同様に、

面接を受けて就職をする、ということです。

 

この場合の多くは、

ご自身が障害を持っている、ということを打ち明けずに就職することが多いです。

ご自身の障害とうまく付き合って生活ができている方は、

こちらの就労パターンの方がいいかもしれません。

というのも、給与がいいですし、

能力のある方であれば、他の方と同様の仕事を任せてもらえるからです。

 

一方の障害者雇用枠での就労は、

障害者であることを就労先に伝えた上で就職する、ということです。

こちらのメリットは、ご自身の障害を

就労先企業の方が理解した上で採用してくれることです。何かと安心ですね。

ただ、一方で、給与は低めなのがデメリットです。

 

大切なのは、「長く働けること」なのかな、と。

安定して働いて、毎月安定した収入があり、

かつ、社会との接点を持ちつづけて生活できること。

それが何より障害者の方々の自信やメンタルの安定につながると、

ぼくは考えています。まぁ、健常の人たちと同じですね。

 

必ず就労できるの?

就労移行支援事業所に通所したからといって必ず就職できる、

というわけではありません。

 

就労移行支援事業所は、人材紹介会社と違って、

就労先の企業となるクライアントを抱えているわけではないからです。

 

ただ、就職活動がうまく行くためのサポート、例えば、

  • 適職を探るためのカウンセリング
  • 求人探しのサポート
  • 面接の事前練習
  • 面接への同行

といったことをします。

もちろん事業所によってサービス内容は異なるので、

その辺りは問い合わせてみてください。

 

何をするの?

ゴールは、利用者さんが就労することですから、

それに必要なことを各事業所でオリジナリティを持ってやっています。

 

例えば、

といったことです。他にもたくさんあります。

 

Webデザインやプログラミング、

Adobe IllustratorPhotoshopといったデザインソフトの使い方

学べる事業所もあります。

 

ご自身の興味のあることを学べる事業所を選ぶといいでしょう。

詳しくは別記事でいくつか事業所を紹介しようと思っていますので、

そちらをご参照ください。

 

訓練はたいへんなの?

多くの事業所が、一日のプログラム(時間割のようなもの)を組んで

日々の訓練を行なっています。

朝礼をやるような事業所もあるそうですし、

午前と午後に分けてトレーニングの内容を事前に決めているような事業所もあります。

 

一方で、時間割は組まずに、

ある程度好きな時間にきて、各自でトレーニング内容を決めて

取り組んでいるような事業所もあります。

 

集団行動ができるようになりたい、

もしくは集団行動は苦手だからマイペースに訓練を進めたい、など

ご自身の希望に沿った事業所を探してみるといいですよ。

 

どんな人たちがサポートしてくれるの?

各事業所には最低6名の支援員が配置されています。

管理者とサービス管理責任者が各1名、

他の4名は(単に)支援員というポジションになります。

なので、資格が必ず必要な人はサービス管理責任者だけです。

 

ただ、他の支援員も、資格はないとしても、

福祉業界で長年経験を積んでいる方もいらっしゃいます。

 

何より経験豊富なサービス管理責任者が各利用者の支援計画を作成・管理するなど、

事業所全体の福祉サービスに関してはしっかり目を光らせていますから。

支援員の資格の有無についてはそこまで重要ではない、と私は考えています。

 

どちらかというと、事業所全体として

どのように利用者さんをバックアップしようとしているか、

プログラムをどのように組み立てているか、

といった方針の方が、利用者さんにとっては重要なので。

その辺りを軸に事業所選びをするのをおすすめします。

事業所によって雰囲気が本当に違うので。

 

どのくらいの期間利用できるの?

利用期間は最大で2年間です。

この2年間というのは、利用者さんの人生全体の中の2年間になります。

とても貴重ですね。

 

なので、「2年間を1度で一気に利用する!」というよりは、

1年〜1年半を目処に卒業をするつもりで通所することをおすすめします。

就労先が肌に合わず再度就労移行支援を利用したい、

というときのために、期間を残しておくのがベターでしょう。

 

ただ、こう言ったのにナンですが、

事情によってはこの2年という期間を延長することも可能です。 

 

費用はどれくらいかかるの?

利用者の自己負担額は1割です。9割は国が負担してくれます。

ただ、その1割に関しても、以下の条件で負担はなしになります。

就労移行支援 自己負担額

利用者さんは、ご自身の世帯年収が300万円以下かどうか、

を確認してみてください。

ちなみに、ここでいう「世帯年収」は既婚の方の場合の配偶者との合算年収で、

同居している親兄弟のものは含まれません。

 

事業所には何人くらい利用者がいるの?

事業所の規模によりますが、最小規模で、

1つの事業所の1日の定員は20名です。

ただ、マックスで30名までが利用可能です。

 

これはあくまで「多くて20〜30名」ということですから、

少ない時期や曜日には10名くらいのこともあります。

開所時に至っては、1、2名なんてこともあります。

 

「人が多すぎるのが苦手!」という方は、通所先の支援員さんと相談して、

なるべく利用者の少ない曜日を選んで通所するといいでしょう。

 

もしくは、在宅での訓練ができる事業所もあります。

ただ、こちらは条件が比較的厳しいので、

これまた行政窓口や医師に相談してみるといいでしょう。

 

事業所内はどんな場所なの?

これまた事業所によって様々ではありますが。

 

なるべく家に近い雰囲気を作っている事業所もありますし、

逆にオフィスに近い雰囲気を作っている事業所もあります。

 

広さもまちまちで、狭かったり広かったり。

 

テーブルも個別ブースを置いているところもありますし、

そうでないところもあります。

 

こればっかりは、一度見学に行ってみることをおすすめします。

 

申し込みはどのようにするの?

窓口がいくつかあります。

  • 直接就労移行支援事業所に電話もしくはメールする
  • 行政窓口(福祉課)に電話もしくは直接相談にいく
  • 相談支援事業所に電話もしくは直接相談にいく

一番早いのは、直接就労移行支援事業所に問い合わせる、です。

「まずは相談と体験にいらしてください」とトントン拍子に話が進むでしょう。

 

ただ、行政窓口で相談すると、

担当者が代わりに事業所に連絡してくれますし、

その後の申請などがスムーズにいくので、お時間のある方はこちらをおすすめ。

 

相談支援事業所は、就労移行支援事業所を含む各関係機関をつないでくれるので、

とっても頼りになる存在です。

が、あまりに人手が足りていないため、混雑していることが予想できます。

本当に時間のある方のみ、相談支援事業所にいってみるのがいいかもしれません。

 

まずは体験に行ってみよう

いかがでしたでしょうか?

以前よりも就労移行支援事業のことをわかっていただけましたか?

 

何はともあれ、気になった方は、

まずは、ぜひ事業所での体験にいらしてみてください。

 

事業所によって、本当にやっていることも雰囲気もけっこう違うので。

 

最終的にはご自身のフィーリングで決める、というのもいいと思います。